米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2008年2月27日水曜日

授業紹介~其の四十五



上の写真はlead week(「授業紹介~其の二十三」など参照)のときのタイの様子です。

タイではタクシーの色がピンクや黄色などです。

非常に明るい色を使っていて、こんな所も日本やアメリカとは違うなあと思いました。



さて、本日は昨日(「授業紹介~其の四十五」参照)の続きで、Strategic Managementの授業紹介の最終回です。

囚人のジレンマの実践においていくつか発見があったので、それらを紹介させていただきます。

まず、最初に驚いたのは、最初のゲームと二回目のゲームで獲得する利益はほとんど変わらないということです。

つまり、ゲームの構造が明確に定義されている以上、共謀できる=「相手が確実に価格を維持する」という確信がなければやはり価格を下げてしまうのです。

そのような確信はおもに契約によって成り立つものであり、その契約をすることができない以上確信にはたどり着かないというのが結論でした。

相手が価格を維持することをほのめかしたのを知って相手が価格を維持することを前提に価格を下げるのではなく、その相手の意思を確信することができないから相手が価格を下げることを想定して価格を下げてしまうのです。

三回目のゲームではお互いにお互い同士で何回も同じゲームをするとわかっているので、ここではお互いに価格を維持する可能性が高くなります。

しかし、ゲームは5回と決まっている以上、最後である5回目には価格を下げることが多かったようです。

前述のとおり、相手が価格を下げるかもしれないと考えることにより、それなら自分も価格を下げないと大損をしてしまうというふうに考えるわけです。

最後のゲームでは回数が決まっていないので、お互いに価格を下げないほうが得であると考え、価格を維持し続けることが多かったようです。

ちなみに僕の場合は全くそうなりませんでした。

なぜなら、お互いに相手よりも高い利益を獲得することに集中してしまったからです。

これも実は陥りがちなミスで、競争相手の利益が一億円で自分の利益が二億円よりも、競争相手の利益が二十億円で自分の利益が十億円のほうがいいわけです。

確かにマーケットシェアやブランドの確立などを考えると競争相手をつぶすことのほうが先だと考えられなくもないですが、そのような考え方を認めてくれる株主は少ないのではないでしょうか。

それがわかっていながらもやはり人間はミスを犯してしまうというのも一つの発見でした。

もう一つの発見は、評判の重要性です。

同じ教室で四回もゲームをやると、どの学生がどのような行動をとるか(ちなみに学生数は約60です)が何となくわかります。

ゲームをするときは、その評判、あるいは印象といったものに意外と左右されます。

その評判がすべてであることはないのですが、たとえば前述のような契約書などは交わせないけれども、何となく合意ができたらそれのほういいなあというときなどは、その人(会社)の信用によって合意に確信を持てるのかどうかが決まってしまうことが多いのです。

つまり、実際のビジネスにおいても、普段からの評判というのは大切であるということがこの授業からわかりました。



囚人のジレンマは数学や経済学だとちょっとしたトリック程度の認識で終わってしまいますが、実際にやってみると意外なことがいろいろわかります。



簡単で、楽しく、しかもビジネスに実際に役立つということで、本当によく出来た授業だなと思いました。