米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。
当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。
2008年5月28日水曜日
アメリカ文化紹介~其の三十四
上の写真は先日も紹介させていただいたAtlanta Dreamの試合(「アメリカ文化紹介~其の三十三」参照)の様子です。
ハーフタイムの間にSean Kingstonという歌手のミニライブが行われました。
このSean Kingstonという歌手は最近では結構人気のある歌手だそうで、そのような人を招いていることからも、いかにこの試合を盛り上げようと必死であったかが伺われます。
日本でもスポーツの試合の始球式やテレビ放送にそのスポーツとはまったく関係ない人を登場させたり、またその試合とはまったく関係のないほかのテレビ番組の宣伝を試合中にすることがあり、そのような姿勢を批判する意見も聞かれます。
その際にアメリカではそんなことはありえない、という見解もあるのですが、僕が今まで見た限りでは、アメリカでも似たようなことが起こっているのです。
スポーツも一つの立派なビジネスとして成立してしまっている以上仕方がないかもしれないですし、このような現象はこれからも拡大していくのではないでしょうか。
確かにこのミニライブのときはとても盛り上がっていましたし、「Atlanta Dreamの試合だけならあまり行く気はしないけど、ハーフタイムにSean Kingstonのライブがあるのなら行こうかな」という人もいたのではないでしょうか。
そのあたりはこれからビジネスとしてのスポーツが対処していかなければいけない課題かもしれません。
このような現象からもうかがえる昨今のスポーツが抱えている問題の一つは、「素人をいかにしてひきつけ、そしていかにして玄人化させるか」です。
玄人の人数よりも素人の人数のほうが多いことは確かであり、そもそも玄人はそのスポーツのファンである可能性が高いのです。
よって、素人は新しい市場であり、そこを狙っていくことによって市場の拡大を図るのです。
しかし、素人はちょっとつまらないと思うと、すぐにそのスポーツから興味を失ってしまいます。
つまり、素人を玄人化しなくてはいけないのです。
ところが、素人と玄人では楽しみ方が違うのです。
今回の試合で例えるなら、素人はSean Kingstonのライブをとても楽しみにしているのですが、玄人はバスケットボールを見に来ています。
その玄人の中には「Sean Kingstonをよばなければチケットの値段をもっと安く出来るのではないか」と考える人がいるはずです。
また長くなってしまったので、明日以降続けさせていただきます。