米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2007年11月13日火曜日

ディズニーパークに見る日米比較

  09のHiroです。私は、日本で東京ディズニーランド(TDL)の近くに住んでおり、年間パスポートを持って相当通いました。子供がキャラクター好きなのが当初のきっかけなのですが、行く度に感心させられるのが、MBA的に言うと「オペレーション」と「マーケティング」です。例えば、

・どうやってサービスのレベルを保っているのか、従業員教育やモチベーションの与え方、シフトや行動マニュアルの運用について

・ショーやパレードの季節ごと、時間ごとの運営、座席指定抽選やファーストパスの運用

・季節ごとのマーチャンダイズの企画開発力、クオリティ管理、ブランド管理など

色々と本なども出ているので詳細は割愛しますが、上記のようなことを非常に高い完成度で、しかもゲストには「夢と魔法の王国」としてさりげなく提供しているのがすごいです。



  さて、アトランタ在住のメリットの一つにフロリダにあるウォルトディズニーワールドに近いことが挙げられます。車で突っ走れば7時間程度(遠く感じるでしょうがアメリカでは行ける距離です)、先日の秋休みに思い切って行って来ました。3日間で4大パークを辛うじて回りましたが、さすが世界最大のテーマパーク、そのスケールに圧倒されました。

  興味深いことに、同じディズニーでも東京とフロリダでは相違点があります。フロリダのマジックキングダムと東京ディズニーランドで比較します。

  第1に、パークの雰囲気が違います。例えば、東京でパレードといえば、1時間前から場所取り開始の許可が出て、それから従業員の指示に従って行儀正しく並んで待っています。鑑賞中のゲストも非常にマナーがよい。一方、フロリダではパレードが始まるとワサワサ人が集まってくるのですが、端から詰めて座るでもなく、前から割り込んだり、立って見てたり、パレードルートに適当にはみ出していたり、何しろ秩序がありません。従業員も大して厳しく注意しないし、割り込まれた客もさほど怒るでもなく、結構楽しんでいます。これは、空いている時でたまたま余裕があったからかも知れませんが、秩序の日本、パワーのアメリカを表していると思いました。

  第2に、フロリダではハロウィンパーティーやX’masパーティーなど季節限定のイベントは、通常営業時間後にパークを締切り、別料金で再入場する方式で行っています。通常料金は安く抑えて最低限の平等は提供するけど、よりよいサービスが欲しければ高価格を払えという、いかにもアメリカ的選別的な考えが浸透しているのだと思います。日本では、大晦日以外はこの手の企画はあまり見かけません。日本では、多くの人にできるだけ均質のサービスを提供する、という思想の方が強いように感じます。TDLに限らず、日本ではサービス業・小売業での「平均的サービス」のレベルが極めて高いです。これはアメリカの無愛想な店員たちと、ちょっとでも接触すれば痛感します。

  あと、行っていないディズニーパークはロスとパリと香港。この2年間で全世界のディズニーパークを制覇しようという野望が沸いてきました。MBA学生の目標としてふさわしいのか不安にはなりますが。。